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深い穴の中にひとり取り残されたアラジンは苛立ちに紛れて手近にあった岩を殴りつけました。
おっさんから渡された指輪がメリケンサックのように岩を打ち砕き、小さな火花が飛び散ります。
するとその時。
「痛てえっ!!」
と、なぜか指輪から声がして、むくむくと煙が立ち上り、その中からひとりの男が現れたのです。
「…誰だ、貴様。」
「俺は指輪の精だ!つか、岩に打ちつけるってどーよ?!」
「煩せえ。知らなかったんだから仕方ねえだろうが。知ってたらもっと思いっきりやってやる。」
「鬼畜か、てめえ!!」
「だったら何だ。用があるなら早く言え。こんな狭苦しいところにデカイ野郎が出てきたら邪魔だ。」
ぎろり、と睨まれて指輪の精は唖然としました。
長い事、指輪の精をやっていますがこんな傍若無人な俺様野郎は初めてです。
「…すっげえ不本意なんだけどよ…俺はその指輪の持ち主の願いを叶える精霊だ。」
「あァ?“願いを叶える”だ?“命令をきく”の間違いじゃねえのか。」
(うっわあああああ!!ヤだ、コイツ!!)
指輪の精はオノレの宿命を激しく呪いました。
「てめえっ!俺は万能の精霊だ!ちったぁありがたがれよ、このクソ坊主!」
「だったらごちゃごちゃ言わずにとっととここから出せ、ゴキブリの精!」
(ああああっ!こんなンでも叶えてやらなきゃならねえの、俺?!俺の立場、極限にヒドイだろ?!)
── to be continued
***
寒いですね…。
冬だからね…。
夏の暑い盛りに、「毛布とかカイロとか信じらんねえ、ナニそれ、ナニに使うもの?!」とか言って
ごめんなさい…。
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